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Industry News 3 min read

あえて主役を降りる。Monzoが「画面の隅に消える」ことで伝えた信頼

「うちのサービスはすごいんです」——広告なら、商品を大きく、真ん中に、目立たせたくなる。だがイギリスの銀行Monzoは、逆をやった。自分たちを画面の隅に小さく置き、主役を”顧客の日常”に譲ったのだ。前に出ないことで信頼を語るこの一手には、押し売り感を嫌う中小企業の営業・採用にこそ効く「型」がある。順番に分解していく。

何が起きたのか

2026年7月、デジタル銀行Monzoは初のグローバルブランドキャンペーン「Get Busy Living(生きることに忙しくあれ)」を発表した。Daniel Wolfe監督、Olivia Colmanのナレーションによる10本のワンショット映像。デート後にこっそり家に帰る、車の中で熱唱する——そんな何気ない日常の一場面を、ただ映していく。

肝心のMonzoは、画面の隅にほんの少し映るだけ。給与の自動振り分けや共同口座といった機能は、「見えないところで裏方に徹している」存在として描かれる。TV・映画・ラジオ・SNS・大型OOHジャックに加え、自社名の音(mmm・zzz・ooo)から作った初のソニックアイデンティティも導入。顧客1,500万人到達という節目の、同行史上最大の統合キャンペーンだ。制作はBBH London。「お金は自分に降りかかってくるもの、という受け身の銀行体験を変えたい」と同社CMOは語っている。

なぜ効いたのか

からくりは一点にある。「顧客の邪魔をしない=信頼できる」という金融サービスの本質を、説明でなく”自らフレームから消える”という演出で証明したことだ。

「私たちは邪魔をしません」と言葉で言えば、それは約束にすぎない。だが、広告そのものの中で商品を隅に追いやり、顧客の生活を主役に据えて見せれば、その姿勢は理屈でなく体験として伝わる。商品を引っ込めるという行為が、そのまま「私たちは前に出ません」という最も雄弁な商品説明になった。信頼は、声高に主張するほど胡散臭くなる。黙って一歩下がるほうが、伝わることがある。

中小企業なら、こう使える

「もっと自社を推さなきゃ」——その力み、いったん下ろしていい。自社の価値が「顧客の手間を消す・裏方に徹する・邪魔をしない」ことなら、広告でも商品を主役から外し、あえて小さく・隅に・見えない存在として描く。

たとえば私たちのゲンバスター(テレアポ代行)なら、「うちの営業力がすごい」ではなく、「社長が営業から解放されて、本業に集中できている姿」を主役にする。サービスは画面の端でそっと電話をかけているだけでいい。たとえば保守・清掃なら、「うちの技術力」ではなく「何事もなく回り続ける現場・気づかれないほど整った職場」を見せる。うまくいっている証拠は、あなたの会社が”目立たないこと”だ。

押し売り感を嫌う中小の社長ほど、この”引き算”の見せ方に反応する。共通するのは、主張を前に出さず、顧客の平穏な日常を主役にすること。前に出ないことを、信頼の証明として演出するのだ。

まとめ

Monzoがやったのは、「邪魔をしない」という価値を、商品を画面の隅に消すことで証明したことだった。あえて主役を降りるだけで、信頼は言葉より深く伝わる。世界的ブランドでなくても、「裏方であることが強み」の中小企業なら、むしろ再現しやすい型だ。

ASTERでは、こうした話題の広告を100本以上「なぜ効いたか」の構造まで分解し、御社の訴求に翻訳する仕事をしています。自社の価値を、どう”引き算”で見せるか。一度一緒に棚卸ししてみませんか。

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