競合とは組めない。取引先とも利害が絡む。では、誰と組むか。答えは「まったく関係のない会社」だった。
何が起きたのか
8月10日は「ハットの日」。この日に向けて、カー用品のイエローハット、外食のリンガーハット、引越のハトのマークの引越センター(年によっては宅配ピザのピザハットも)が、同盟を組んでいる。
結成の理由は、ただひとつ。「社名にハットが付く」から。それだけだ。
2022年から毎年、各社の社長が一堂に会する「ハット首脳会談」をWeb動画で公開してきた。2025年は形式を刷新し、初の「ハット大運動会」に。3社から総勢25名の社員が参加し、「ハットマンシップ」に則って競い合う。競技にはタイヤ、契約農家、本物のハトが助っ人として登場した。
さらに、レッドハット社の社員、服部さん、チーズハットグ屋までが来賓として参画。3社コラボのジャージが当たるフォロー&リポスト企画、リンガーハットの「810名に食事券」など、各社が独自キャンペーンも並走させた。
なぜ効いたのか
事業にも商圏にも一切関係がない。だからこそ、この座組みは成立している。
無関係だから競合にならない。競合にならないから、各社が自社の顧客に堂々と告知でき、利害が衝突しない。そして3社の顧客リストとSNSフォロワーが合算されるため、1社分の予算で3倍のリーチが立つ。
「なぜこの3社が?」という違和感は、そのまま拡散のフックになる。説明が不要なわかりやすさもある。
そして何より、毎年繰り返していることが大きい。社長の会談から社員の運動会へ、とフォーマットを更新しながら続けることで、単発の企画が“年中行事”に育った。恒例なのに新鮮さが保たれている。
「ハットマンシップ」のような造語も効いている。ふざけているのに、規律ある世界観が立ち上がる。
中小企業なら、こう使える
事業内容がまったく無関係でも、「名前・地名・数字・創業年が一致する」だけを理由に他社と同盟を組む。そして共同企画を毎年繰り返し、年中行事に育てる。
無関係だから利害が衝突せず、参加各社の顧客とフォロワーを合算できる。だから、一社分の予算でリーチが参加社数分に増える。
▷ うちなら
地方の中小企業なら、「社名に同じ字が入る異業種」を3社集めて同盟を組む。工務店・美容室・自動車整備、業種はバラバラでいい。むしろバラバラなほどいい。
たとえば創業年が同じ3社で「同い年同盟」、同じ町名の3社で「◯◯町連合」。年に一度、社長が並ぶ動画を1本撮って、各社のSNSで同時に出す。制作費は1本分、リーチは3社分になる。
大事なのは、1回で終わらせないこと。3年続ければ、それはもう「毎年やってるあれ」になる。
まとめ
ハット同盟が証明したのは、協業相手を業種で探す必要はないということだった。名前が一致するだけで組める。無関係だから衝突せず、続けるほど年中行事に育つ。
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