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名前そのものに意味を宿す。女子プロ野球が球団名を先駆者に捧げた「Trailblazer Naming」型

新しい会社やサービスは、実績がない。歴史もない。だからこそ、名前のつけ方一つで初日から「意味」を持たせられる。アメリカの女子プロ野球リーグは、球団名すべてを実在の先駆者に由来させることで、開幕前からファンが所有したくなる強いアイデンティティを作った。命名に物語を埋め込む型を分解する。

何が起きたのか

2026年7月8日、女子プロ野球リーグ(WPBL、初開催は8月1日〜9月)が、代理店Arrivals+Departuresと組んで創設4球団のブランドを発表した。

特徴は、球団名・ロゴ・ユニフォーム・グッズのすべてを、スポーツ史や社会史を切り拓いた実在の女性先駆者に由来させて設計したことだ。たとえばNew York Heightsは、公民権活動家Dorothy Heightにちなんでいる。発表と同時にグッズは数時間で完売し、第2弾を待つ列ができた。

なぜ効いたのか

新しいリーグには、実績がない。歴史もない。普通なら、かっこいいロゴやタグラインを別に作って「らしさ」を演出しようとする。

だが彼らは、ブランドの理念(女性の先駆者への敬意)を、広告やスローガンでなく「球団名という識別子そのもの」に埋め込んだ。名乗るたびに、歴史と敬意が自動的に想起される。意味と切り離せない命名体系を作ったのだ。

だからファンは、グッズを単なる「応援グッズ」でなく「誰かの遺産を受け継ぐもの」として所有できる。着ること自体が、意味の宣言になる。新規ブランド最大の弱点である「歴史の無さ」を、他者の歴史を借りることで初日から補った。ここに構造の妙がある。

中小企業なら、こう使える

新会社の設立、新サービスの立ち上げ、新拠点の開設。名前をつける機会は、中小企業にこそ多い。

その名前・型番・プラン名という識別子そのものに、理念や敬意の対象を埋め込む。地元の偉人、由来のある地名、創業の物語。名乗るたびに意味が再生される。

新サービスのプラン名を無機質な「Aプラン/Bプラン」で済ませず、地域の職人や創業者の名、土地の物語から取る。新拠点に、その土地の歴史を宿した名をつける。歴史の浅い新ブランドでも、他者の物語を借りれば初日からアイデンティティを持てる。リブランディングそのものの武器になる型だ。

まとめ

WPBLがやったのは、名前そのものに意味を宿したことだった。識別子に物語を埋め込めば、名乗るたびに意味がよみがえる。歴史の無さは、他者の歴史を借りて補える。

ASTERは、こうした構造を御社の会社名・サービス名・ブランド設計に翻訳する仕事をしています。御社の名前に、どんな物語を宿せるか。一度一緒に考えてみませんか。

(構造の解説資料・過去事例集をご用意しています。お気軽にお問い合わせください。)

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